パーソナルトレーナーでビキニ選手の塩屋未央さんに、トレーナーの仕事やボディビルの大会の話を聞いてみました!第三弾は、「ボディビルの人の増量と減量って、何をするの?」単に体重を増やしたり減らしたりするのではありません。骨と筋肉と皮だけになるために、みんな、頑張っているんです!

書いている人:あやこ(筋肉痛になっていることが、他人から見たらわかるのに、自分ではわからないぐらい鈍感)

一緒に聞きにいった人:しづか(そもそも筋肉痛になるようなことは絶対しない)

あやこ
あやこ

パーソナルトレーナーの塩屋未央さんに、話を聞いたよー!第三弾です!

しづか

いえーい!

<内容>

  • 筋肉を増やして脂肪を減らす(増量と減量)
  • いつだって試行錯誤
  • 家族の理解
あやこ

第一弾では、塩屋先生がトレーナーになった経緯を、第二弾では、トレーナーとしての思いを教えてもらいました!

塩屋未央

今回は、ボディビルのからだの話です。

あやこ

前回、「貯筋(ちょきん)」という面白い言葉が出てきましたが、いったいどういうことですか?

あっ、その前に、今、新井ちゃんが来たので、紹介しますー

しづか

新井ですー、こんにちは!

あやこ

聞いて、インタビューの間もな、筋トレさせられてんねん(笑)。

インタビュー中も、左にある体感トレーニング用のバランスクッションで、トレーニング!
しづか

うそん!?
あー待って、これ、思ったよりしんどい(笑)。

あやこ

しんどいよね!?(笑)

塩屋未央

(爆笑)

しづか

ドS!

あやこ

そこが好き♡

さて、貯筋の話に戻ります!
貯筋して、どうするんですか?去年貯めた筋肉を、今年は落とすんですか?

塩屋未央

筋肉は、貯めるだけです!

「筋肉は尊い」っていう言葉もあるんですけど(笑)。筋肉は、尊く、温存しないといけない。

代わりに、皮下脂肪を、落としていきます!

あやこ

?????

塩屋未央

ボディビルのイメージって、筋肉が、ボンってついてますよね。
でも、筋トレして、栄養をいっぱいとっても、筋肉だけつけることは、至難の業なんです。筋肉とともに、ふつうは脂肪もついてしまう。

基本的に、ボディビルの選手たちは、貯筋(増量)の時期は、ガンガン栄養とって、筋肉を大きくするとともに、脂肪もいっぱいつけているんです。

で、減量の時期には、脂肪だけをガッツリ落とす。
もちろん、脂肪だけじゃなく、筋肉も一緒に減ってしまうので、増量の時期に、減量で減る筋肉よりもたくさんの筋肉をつけておかないといけません。

最後には、筋肉だけがたくさん増えて、脂肪が減ったね、っていう形にしていくんです。

あやこ

筋肉と脂肪は、セットで増えたり減ったりするんですね!知らなかったです!

塩屋未央

そうなんです。

例えば、「腹筋が割れてる」のって、ただ腹筋がムキムキってことじゃなくて、腹筋と皮膚の間の脂肪がそぎ落とされることで、腹筋の形が見える、ってことなんです。

普通の人も、からだの中にはちゃんとシックスパックがあるんですけど、皮下脂肪で見えないんです。
もちろん、マッチョな人は、普通の人よりもシックスパックも鍛えられているんですが、皮下脂肪があったら、それも見えない。

あやこ

あーー!そういうことか!
せっかくムキムキに鍛えても、皮下脂肪をそぎ落とさないと、表に見えてこないんですね!

塩屋未央

そう!

ボディビルの人たちは、増量と減量を繰り返すことで、筋肉をどんどん増やして、皮下脂肪をどんどん減らすんです。

究極、骨と筋肉と皮だけにするのが、ボディビルの競技です。
いかに筋肉を増やし、皮下脂肪をそぎ落とすかが重要。

で、減量もうまくやらないと、脂肪と一緒に筋肉も減っていってしまう。極端にやりすぎると、筋肉も全部持っていかれて、最終去年と仕上がり変わってないやん、ってなったりもするんです。

しづか

恐るべき世界…!

塩屋未央

貯筋(増量)することを、「バルクアップ」って言うんですけど。

あやこ

バルクアップ!

しづか

語感だけでめっちゃ強い!

塩屋未央

(笑)。

そのバルクアップの時期に、からだが大きくなるんですね。

確かに、体重を増やすことなく、筋肉だけ増やしていくことも、厳密には不可能ではないと言われていますが、よほどの熟練者でないと、難しい。

バルクアップでは、基本的には、いっぱい食べて、ガンガントレーニングをしていくので、筋肉を増やす過程で体脂肪も増えてしまうのは、いたしかたないのかなと思います。

ただ、私は、職業側、皆さんのダイエットや美しくなることをお手伝いさせて頂くことが多いので、自分の体型を崩すことに、どうしても抵抗があって。
去年、バルクアップしていましたが、男性のように、ガンガン食べて筋肉と体脂肪をとことん増やしきる、というところまではいけませんでした。
ただ、筋肉量が前回と比べてどのくらい増えたのかはわかりませんが、からだのフォルムは良くなっていると思います!

あやこ

トレーニングの賜物ですね!

ところで、去年1年で実際のところ、先生はどのくらい体重増やされたんですか?
わたし、毎週会ってるけど、増量していたなんて、全然気づいてなかったです。

塩屋未央

前回コンテストのとき、私48kgだったんですけど、今は、57kg。だから、10kgぐらいは変わってるかな。

あやこ

うっそん驚き!!

塩屋未央

コンテストのために、今年は50kgぐらいに仕上げたいので、これから更に7kgぐらい落とすんですよね。
だから、夏ぐらいには、カリッカリになります(笑)。

しづか

ひえええええええ……アスリートや……

あやこ

どうやって減量されるんですか?
その技、わたしのダイエットに役立てたいです!
チートして痩せたい!(本音)

塩屋未央

それがあればいいんですけどね~(笑)。

その人の基礎代謝や筋肉量、運動量や生活スタイルによっても全然違うし、脂肪がどこからどのくらいでどんな風に落ちるかとか、筋肉がどこからどのくらいでどんな風につくかとかも、人それぞれのからだの特徴によって全く違うので、自分で自分にあった方法を、探していくしかないんです。

あやこ

ちーん!

塩屋未央

しかも、同じ人でも、毎年からだは変化するので、去年うまくいった方法が今年は通用しないとか、普通にあります。

もう本当に、人それぞれ、その時々なので、ずっと試行錯誤しています!

しづか

試行錯誤って、どんな感じでやるんですか?
何かゴールがあるんでしょうか?

塩屋未央

そもそも、ボディビルはスポーツ競技なので、結果が求められるんです。
簡単に言えば、人間にある筋肉を全て、見せていく競技です。

競技なので、こういう筋肉がここにあるので、それをこういう風に見せられたら評価される、という、評価の決まりがある。

だから、ここにこういう筋肉をつけたい、そのためにはこういうトレーニングをして、こういう風に見せるために減量する、ということの繰り返しが必要です。

食事も、「これを食べたい」とかじゃなくて、大きくなるための、あるいは皮下脂肪を落とすための「作業」という感じ。ひたすら同じものを食べてトレーニングを繰り返して、反応がうまく出なかったら変えていくんです。

「反応が出る」とは、目的とする「見せる筋肉」の形が、ちゃんとそのように見えてきているか。

反応が出るか、出ないかが、判断基準です。
先月まではこの食事とトレーニングで上手くいってたけど、今月は停滞してるな、と思ったら、違う方法を試します。
様子を見ながら、トレーニングや食事を組み立てていくんです。

あやこ

食事も、競技のための一つなんですね!

塩屋未央

そうなんです。

だから、特に減量期は、家族や友達とご飯を食べにいって自由に食べる、とか出来なくて。
食事は毎日のことなので、日常生活にめちゃくちゃ影響が出ます(笑)。

あやこ

ご家族の反応は?

塩屋未央

子供たちは、応援してくれていて、嬉しいですね。
特に娘は、私のことを、誇りに思ってくれていて。
自分の母が最強だと思っていて、「お母さんみたいになりたい」って言ってくれるんです。

あやこ

めっちゃ嬉しいですね!!
聞いてるだけで嬉しいです!

塩屋未央

トレーニングを始めた最初の頃は、夜にジムに出かけるとき、「え、いくん?」みたいなさみしそうなときもあったけど、今では逆に、「今日はいかんでいいん?」って(笑)。

食事も、私が減量に入っていることも理解してくれて、気をつかってくれたりします。

家族の協力や理解があるのは、ボディビル競技を続けるうえで、結構大きな要素ですね。

あやこ

周囲の理解は、本当に大切ですね!
わたしも、周りに何か頑張っている人がいたら、絶対、応援してあげたいです!

次回は、ボディビルの種目の中でも、井上先生がされているビキニ競技について、伺います!

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この記事を書いた人

あやこ
あやこ
人のからだがどういう仕組みで動いているのか気になって、分子生物学を学びに、大学へ行きました。
今は、いろんなパフォーマンスを通して、人のからだを考えようとしています。

いろんな人やしごとをに出会い、いろんなからだを知るたびに、「ああ、自分はなんて、頭でばかりわかった気になっていたんだろう。現実はこんなに広い!」と、感動します。
皆さんと、いろんなからだに出会っていきたいです。
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